相続税の税務調査とは?

相続税の税務調査は、申告件数の20~30%弱の割合で行われていますが、相続税の税務調査を事前に知ることができる方法があります。
相続税の申告にあたり、申告を担当した税理士が税務代理権限証書の提出だけでなく、税理士法33条の2に定める書面を添付しますと、予告無しで行われる税務調査でない限り、必ず税務調査の前に、関与税理士に意見聴取が行われます。

この意見聴取の結果、税務当局側の疑問点が解消できた場合、関与税理士に対し「現時点では調査に移行しない」旨の連絡があるとされています。
税理士法33条の2に定める書面を添付しての申告ですと、税務調査を受ける可能性が低くなるのです。

税理士法人リーガル東京では、相続税申告の場合ですと、受任した申告件数の90% 以上に税理士法33条の2に定める書面を添付しております。

税務署に来署を求めて是正させるという方法は、あくまで税務調査の一環として行われるものなので、是正方法として修正申告書の提出があった場合、過少申告加算税が賦課されます。
これに対し、税理士法33条の2に定める書面を添付したことによって、税務調査の実施前に行われる関与税理士との意見聴取における質疑などだけで、修正申告書が提出されたときには、過少申告加算税が賦課されないと解釈されています。

また税務調査のほかに、行政指導の一環として、提出された申告書の計算間違い、記載漏れ、法令の適用誤りなどの誤りがあるような場合、納税者側に自発的な見直しを要請し、必要に応じて修正申告書の提出を要請する場合があります。このような行政 指導により修正申告書を提出した場合、過少申告加算税が賦課されません。
ただし、延滞税を納付すべき場合がありますし、当初の申告が期限後ですと無申告加 算税として原則納付額の5%が賦課されます。

 

税務調査の種類一実地調査

一般的に相続税の税務調査というと、納税者の自宅に出向いて行う「実地調査」をいいます。
実地調査は、通常の場合、以下の事項を通知して行われますので、この通知が、あったら、納税者は関与税理士との間で調査に対する対応方を相談しましょう。

・実地調査を開始する日時
・調査を行ろ場所
・調査の目的
・調査の対象となる税目
・調査の対象となる期間
・調査の対象となる帳簿書類その他の物件などの事項

相続税の税務調査は、国税局や税務署で収集した資料情報を基に、申告額が、過少であると想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告になっていることが想定されるものなどに対し実施されます。

 

調査の種類-反面調査

反面調査とは、調査対象者(納税者)以外の者に対して実施される税務調査であり、 取引先金融機関や証券会社などに対して行われるのが典型です。
反面調査も質問検査権に基づいて行われる調査です。

銀行調査では、相続開始前に引き出された預貯金の移動先、過去に引き出された預貯 金等が何に化体したか、家族名義の預貯金の原資はどこから流れたか、といったこと を調査されます。
証券会社などの調査においては、証券会社などにおける取引先ごとの管理方法、取引 先□座等から株式等の取得原資など名義株の疑いがないか等を調べるようです。

 

税務調査の種類一現況調査

相続税の税務調査のほとんどは、事前の通知をして行われる任意調査ですが、任意調 査でも現況調査があります。
現況調査は、調査先に出向いて、相続財産として経済的価値あるものを調査しますので、現金・家族名義を含む預貯金・株券などの有価証券・不動産売買契約書・印鑑・家の中の書画骨董類などは、求めに応じて提示できるよう用意しておくべきでしょう。