1、仮想通貨とは何か

仮想通貨の代表的なものは、ビットコインです。
仮想通貨は、物品の購入やサービス提供の対価として利用できます。
仮想通貨は、円やドルなどの法定通貨との交換(売買)もできます。
仮想通貨は、実体がなく、電子的に記録されたものであり、インターネット上だけで移転・流通します。

 

2、仮想通貨と所得税・法人税について

(1)保有する仮想通貨を円(法定通貨)と交換(売買)されるときは、仮想通貨を取得したときの円換算額と仮想通貨を提供したときの円換算額との差額がプラスとなったときは、プラスの差額分は、仮想通過を提供した人の所得となります。
個人の得た所得なら所得税の課税対象であり、法人が得たとき益金として、法人税の課税対象となります。

(具体例)4月5日に400万円(支払手数料込)で8ビットコイン(BTC)を購入し、6月15日に0.4ビットコイン(BTC)を22万円で売却したケースでは、下記計算式により2万円が所得になります。

220,000円-(4,000,000円÷8BTC)×0.4BTC=20,000円(所得金額)

 

複数回にわたって、仮想通貨の取得・提供を繰り返した場合、簿価は仮想通貨の種類ごとに、移動平均法に準じた方法で計算することになりますが、継続して適用することを要件として、総平均法でも計算するのもよいと考えられているようです。
仮想通貨の取引を事業として行う場合、仮想通貨を会計処理上、どう取り扱うかも議論されています。棚卸資産として扱うという考えもあるようです。
品物やサービスとの交換(仮想通貨を利用して品物を購入したり、サービスの提供を受けること)については、品物やサービスの評価額と提供した仮想通貨の円換算額に差額が生じる場合に、その差額を収益(所得)に計上するようです。
収益に計上する額は、品物やサービスの価格が円で表示されているときは、その価格とするようですが、円で表示されていないときは、提供した仮想通貨の取引時点での価格を参考にするようです。

(具体例)4月5日に400万円(支払手数料込)で8ビットコイン(BTC)を購入し、9月20日に0.6ビットコイン(BTC)を使用して35万円の商品を購入したケースでは、下記計算式により5万円が収益(所得)になります。

350,000円-(4,000,000円÷8BTC)×0.6BTC=50,000円(所得金額)

(2)台帳記録管理者がトランザクションの承認のためのブロック連結作業に成功し新たに生成される仮想通貨を取得すること(マイニング報酬)も所得になります。
個人の得た所得(マイニング報酬)なら所得税の課税対象であり、法人の場合は益金として、法人税の課税対象となります。

 

3、仮想通貨と相続税について

ある人が亡くなり、その相続財産に中に、仮想通貨が含まれている場合、仮想通貨は財産的価値がありますので、相続税の課税対象になります。
もっとも、被相続人のウォレットで管理していた秘密鍵が相続人に承継されませんと、被相続人が保有していた仮想通貨の処分ができません。
そのような場合には、価値がなくなった財産(仮想通貨)の相続として価値0円と評価することが考えられ、それでは相続税の課税ができません。

課税当局(税務署)側としては秘密鍵が相続人に承継されない事実を把握することが困難だとして、納税者(相続人)側から反証がない限り、被相続人死亡時の価格で相続されたものと推定するという考え方が有力のようです。
なお仮想通貨が相続財産に含まれる場合、現行では被相続人の住所地がどこかによって仮想通貨の所在地が判定されますが、問題があるとされています。

 

4、仮想通貨と消費税について

2016年(平成28年)に資金決済法が改正され、仮想通貨が支払の手段として、位置づけられました。
2017年(平成29年)度税制改正において、仮想通貨の譲渡について、消費税を非課税とすることが決定されました。
仮想通貨のマイニング(生成)の報酬や台帳記録管理者が得る手数料について、消費税を非課税とすることには、問題があるようです。

しかし、国税庁のHPを見ると、これら報酬や手数料も消費税の課税対象ではないと考えられているようです。
但し、消費税が非課税になるのは、資金決済法における仮想通貨だけです。
資金決済法上の仮想通貨に該当しない仮想通貨の取引は、消費税の課税対象となります。

 

5、仮想通貨の課税手続など

仮想通貨を保有している場合、財産債務調書や国外財産調書については、法令に基づき仮想通貨に関する情報を、記載する必要があるとされています。
仮想通貨の所在については調書を提出する者の所在地によることになりますが、問題があるようです。
仮想通貨の課税関係については、まだ考え方が定まらない部分が少なくないようですので、今後も課税当局を含め、研究や議論がされていく分野であろうと思います。

監修者

氏名(資格)

小林 幸与(税理士・弁護士)

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特に相続分野では、相続対策・相続トラブル解決・相続税申告・相続手続処理などの相続に関わるワンストップサービスを得意としています。